悸
悸
名詞
標準
文例 · 用例
心臓の動悸が息のつまるほどはげしく、自分で自分の身がささえていられないようになった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
自分は胸に動悸するまで、この光景に深く感を引いた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
何と言っても幼い両人は、今罪の神に翻弄せられつつあるのであれど、野菊の様な人だと云った詞についで、その野菊を僕はだい好きだと云った時すら、僕は既に胸に動悸を起した位で、直ぐにそれ以上を言い出すほどに、まだまだずうずうしくはなっていない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
何事が起ったかと胸に動悸をはずませて帰って見ると、宵闇の家の有様は意外に静かだ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
それと見るより美登利の顏は赤う成りて、何のやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る/\門の侍へ寄れば、信如もふつと振返りて、此れも無言に脇を流るゝ冷汗、跣足になりて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
それと見るより美登利の顏は赤う成りて、何のやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る/\門の傍へ寄れば、信如もふつと振返りて、此れも無言の脇を流るゝ冷汗、跣足に成りて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
それと見るより美登利の顔は赤う成りて、どのやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る恐る門の傍へ寄れば、信如もふつと振返りて、これも無言に脇を流るる冷汗、跣足に成りて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
私の詩の本質――よつて以てそれが詩作の動機となるところの、あの香氣の高い心悸の鼓動――は、ひとへにただあのいみじき横笛の音の魅惑にある。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫