踏殺
踏殺
名詞
標準
文例 · 用例
ヘヘ……義理も人情も、神も仏も踏殺して行けるんだ。
— 夢野久作 『骸骨の黒穂』 青空文庫
そうして今日までに彼が見たり聞いたりした幾多の所謂成功者、すなわち立志伝中の人々が……如何に残忍な、血も涙も無い卑怯な方法をもって弱者を蹂躙し、踏殺して来たかを聯想し、想起し続けていた。
— 夢野久作 『笑う唖女』 青空文庫
どうしてまたあんな者が出来たものですかサ」「もう少し病人らしくしていると可いんですけれど、我儘なんですからねえ――森彦さんはああいう気象でしょう、真実に宗蔵のような奴は……獣ででもあろうものなら、踏殺してくれたいなんて……」 お倉やお種が笑えば、お俊も随いて笑った。
— 島崎藤村 『家(上巻)』 青空文庫
昔年、馬に乗れば切捨てられたる百姓町人の少年輩が、今日借馬に乗て飛廻わり、誤って旧藩地の士族を踏殺すも、法律においてはただ罰金の沙汰あらんのみ。
— 福沢諭吉 『徳育如何』 青空文庫
そして子供や婆さんが踏殺される……そう云う祭日のさまを思い浮べた。
— 永井荷風 『花火』 青空文庫
現代の祭には女が踏殺される。
— 永井荷風 『花火』 青空文庫
あの騒ぎの中に割って入りゃ、見りゃ子供衆で、ひどい怪我をするのは知れたこと、悪くすれば踏殺される。
— 三好十郎 『天狗外伝 斬られの仙太』 青空文庫
どんな苦しみ怪我を受けるくらい、たとえ踏殺されても、それは村を出る時からの覚悟、三百人の中、百人二百人と殺されても、江戸までは行きまする。
— 三好十郎 『天狗外伝 斬られの仙太』 青空文庫