窶れ顔
やつれがお
名詞
標準
文例 · 用例
「影を映した時でした……其の間に早や用の趣を言ひ聞かされた、髪の長い、日本の若い人の、熟と見るのと、瞳を合せたやうだつたつて…… 若い人の、窶れ顔に、血の色が颯と上つて、――国々島々、方々が、いづれもお分りのないとある、唯一句、不思議な、短かい、鸚鵡の声と申すのを、私が先へ申して見ませう……もしや?
— 泉鏡花 『印度更紗』 青空文庫
窶れ顔の次兄は置炬燵の上に頤を乗せ、「ここでは正月もへちまもないさ」と呟いてゐた。
— 原民喜 『氷花』 青空文庫
左様でしたか」「わしが窶れ顔などしていたら、苦労性な母者人はすぐ、せいでもよい思い遣りを子になさろう。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
そして、彼女の窶れ顔の中の幼い面影を、しげしげ探すように見入って、「父も母もないそなたに、故郷も茨だったな。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫