短兵
たんぺい
名詞
標準
文例 · 用例
短兵急に首を圧えて叩っ斬ってしまうのだ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
古藤は短兵急に、「それにしてもなかなか元気ですね」 とたたみかけた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
「忙しいにかまけて、あれはあのままにしておったが……一つはあまり短兵急にこっちから出しゃばると足もとを見やがるで、……あれはなんとかせんとめんどうだて」 と倉地はがらっと箸を膳に捨てながら、葉子から女将に目をやった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
今迄|嫂にちび/\、無心を吹き掛けた事は何度もあるが、斯う短兵急に痛め付けるのは始めてゞである。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
今まで嫂にちびちび、無心を吹き掛けた事は何度もあるが、こう短兵急に痛め付けるのは始めてである。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
次の日曜に宗助は小六を呼んで、叔母の云つた通りを殘らず話して聞かせて、「叔母さんが御前に詳しい説明をしなかつたのは、短兵急な御前の性質を知つてる所爲か、夫ともまだ小供だと思つてわざと略して仕舞つたのか、其所は己にも分らないが、何しろ事實は今云つた通りなんだよ」と教えた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
短兵急に生きてゐる中野重治思ひつきでなくジックリと懐ろから取り出したやうな大きな作品を見せて頂戴引掻く貴女の爪は血を流すが掻かれた相手はカユイ許りだ可愛いといふよりもカユイ人板垣直子よ。
— 詩集(11)文壇諷刺詩篇 『小熊秀雄全集-12』 青空文庫
信長は桶狭間という狭隘の土地で今川義元を短兵急に襲って、首級をあげたが、併しそのやり方はいくらか、やまかんで僥倖だ。
— 菊池寛 『厳島合戦』 青空文庫