鳥雲
ちょううん
名詞
標準
文例 · 用例
彼地へ往らっしったお方は御案内でいらっしゃいますが、社殿は槻の総彫で、花鳥雲竜が彫って極名作でございます。
— 三遊亭圓朝 『霧陰伊香保湯煙』 青空文庫
けれども、こういう鳥雲の中でいちばん大きなのが、いまあらわれてきました。
— NILS HOLGERSSONS UNDERBARA RESA GENOM SVERIGE 『ニールスのふしぎな旅』 青空文庫
小手をかざして桑名の方をみると、はやくも秀吉の先陣は、ふたたび戦雲をあげて孤城奪取の総攻めにかかり、後陣は鳥雲のかたちになって、長駆、柴田との迎戦に引ッかえしてゆく様子――。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
そこでふたたび、鞭をあげると、とんぼ組の隊伍は、そのまましずかに進んで、ころあいなところで、鳥雲の陣にくずれ、また魚鱗の形にむすび、しきりと厳重な陣立を編もうとくふうしているようすであったが、やがて八門の陣をシックリと編んで、あたかも将軍の寝間をまもる衛兵のように、三十六人が屹然とわかれて立った。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
鼓を合図に、両軍それぞれの大兵が、鶴翼、鳥雲、水流、車輪、陰陽三十六変の陣形さまざまに描いてみせ、最後にはわあああっ……と双方起って乱軍となり、そこかしこで、凄まじい一騎討の競武が展開された。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
いつでも早速に相変化転するのが陣形の本質で、鶴翼でも蛇形でも鳥雲の陣でも、そのままに固執したりするのでは、死陣であって活陣ではない。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
これなん鳥雲の陣とでもいうのか、やがて織田軍の柵へ近づくや、原、内藤、武田|信廉の諸部隊からまず鳥群のむら立つように、一斉、喚きかかって来た。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫
挺身、賊の陣近く斬入って、一気に戦いを決せんと思うがどうであろう」 二人へ、計ると、「それこそ、同意」と、すぐ五百余騎を、鳥雲に備え立て、山麓まぢかへ迫ってからにわかに鼓を鳴らし諸声あげて決戦を挑んだ。
— 桃園の巻 『三国志』 青空文庫