記文
きぶん
名詞
標準
文例 · 用例
さらにまた一つの例を言へば、英文學に造詣の深い土居光知氏が比較研究の立場から平安朝の日記文學について記述された一篇のごとき、伊勢物語、土佐日記、蜻蛉日記等の文體を探つて、國文の創造とその組織にまでさかのぼつたことは、これまた有益な文字であつたと思ふ。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
幻住庵は菅沼曲水の伯父にあたる幻住老人といふ僧の住んだ草庵で、そこに芭蕉はしばらく住んだといふことが、あの記文の中に書いてある。
— 島崎藤村 『芭蕉』 青空文庫
』 こんな風に敍して行つた記文の一番終りの處へもつて行つて、自己の感想が可成明かに語つてある。
— 島崎藤村 『芭蕉』 青空文庫
ここに、若い純文学者の心的革命が当然起らずにはいられぬ原因がひそんでいて、純文学の正統は日記文学か、それとも通俗小説か、そのどちらかという疑問が起って来た。
— 横光利一 『純粋小説論』 青空文庫
もしそれに気がつけば、早や、日記文学の延長の日本的記述リアリズムでは、一人の人物の幾らかの心理と活動とには役には立とうが大部分の人間の役には立たなくなるのである。
— 横光利一 『純粋小説論』 青空文庫
僕が日本の私小説作家に大いに反対するのはそこなんです」 ステファン・ツワイクは伝記文学者として多くの仕事をしたが、彼の代表作「三人の巨匠」の中でもディケンズ研究は、最も重く評価されている。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫
三根夫が見たとき、帆村はメモのうえに書きつけた速記文字を熱心に見入っていた。
— 海野十三 『怪星ガン』 青空文庫
大したことも書いてないながら、その簡単な日記文に現れるYという女のことが、妙に懐しがられてくるのだった。
— 海野十三 『脳の中の麗人』 青空文庫