如法暗夜
にょほうあんや
名詞
標準
total (utter) darkness
文例 · 用例
ことに川開きは、空の火も家々の燈も、船の灯も、バタバタと消えて、即ちにして如法暗夜の沈黙がくるからたまらなく嫌だ。
— 長谷川時雨 『牢屋の原』 青空文庫
四辺は真の如法暗夜。
— 国枝史郎 『加利福尼亜の宝島』 青空文庫
「如法暗夜の火取り虫を、室へ窃かに忍ばせたと見える」呟くと共に三太夫は、ハーッと息を吐き出した。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
如法暗夜の妖術が、三太夫のために破られたからか、吹き止んでいた夜嵐が忽然として吹き起こり、板戸を揺する騒音が耳を聾するばかりである。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
かつて、甲府城下の闇の破牢の晩に、この盛んなる型を見せたことがありましたが、あの時は如法暗夜のうちに、必死の努力でやりました。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
如法暗夜ではない、如法朧夜といったような東海道の上り口を「山科光仙林」の提灯が、ゆったりゆったりと渡って行く。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
天井も左右の壁も、板を重ねた上に黒布が張ってあるらしく、針の先程の光もささぬ如法暗夜である。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫
――天王寺の弱法師よろぼふし夜々の通ひは何方ぞ知るまじとて木々は知る 露は知る如法暗夜にも一|眼あり鞍馬おろしも誘ふ魔界|外道の谷はここ…… ふと、うつつに返ってか、高時もすぐ日ごろ好む田楽歌の節に誘われ出していた。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
部屋の明かりが消えると、如法暗夜に包まれた。
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深夜の森は如法暗夜で、足元すら見えなかった。
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洞窟の奥深くは、まさに如法暗夜だった。
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