物上
ぶつじょう
名詞
標準
文例 · 用例
「味噌汁の実まで相談するかと思うと、妙なところへ干渉するよ」「へえ、やはり食物上にかね」「うん、毎朝梅干に白砂糖を懸けて来て是非一つ食えッて云うんだがね。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
もし文芸院がより多く卑近なる目的を以て、文芸の産出家に対して、個々別々の便宜を、その作物上の評価に応じて、零細にかつ随時に与えようとするならば、余はその効果の比較的少きに反して、その弊害の思ったよりも大いなる事を断言するに憚らぬものである。
— 夏目漱石 『文芸委員は何をするか』 青空文庫
坊さんは寮舎に帰って、平生読み破った書物上の知識を残らず点検したあげく、ああああ画に描いた餅はやはり腹の足にならなかったと嘆息したと云います。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
「宿料低廉、風呂付、食物上等」こんなのは普通なのだ。
— 夏目漱石 『倫敦消息』 青空文庫
そして急しく吉野と信吾の顔を見巡して、『好い物上げませうか、貴方に?
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫
そして急しく吉野と信吾の顏を見※して、『好い物上げませうか、貴方に?
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫
外国と等しく本邦にも野猪を畜って家猪に仕上げたは、遺物上その証あり。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
親分生活は嫌いながらにあの辺切っての睨み上手の、捕物上手で、云ってみれば田舎のシャロック・ホルムズといったような名探偵肌の人だったのでしょう。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫