賜謁
しえつ
名詞
標準
文例 · 用例
林述斎の墓誌に、「遂以天明四年、賜謁大廷、尋而執技出入城中者数年、至享和元年、擢入西城医院、叙法眼位」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
――この将軍は、癇癪の発するや、賜謁の際と雖も眼を繁く叩き、口を歪め、膝を上下するに、進見のもの辛うじて、失笑を禁ぜしほどであった―― さらに、家定のからだには足りないところがあったのを、福地桜痴居士が『幕末政治家』に語っている。
— 佐藤垢石 『『七面鳥』と『忘れ褌』』 青空文庫
これが初めての賜謁で、初めての別謁です。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
しかし賜謁は、上々の首尾で、義貞は身にあまる思いにくるまれ、さらにべつな庭では、准后三位ノ廉子にも謁した。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
便殿へ入られても、あとは優勝騎手への賜謁だの、近習の奏上やらで、玉座は衣冠の群れのたえまもない。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
「――何とぞ不時ノ賜謁の儀をおはからい願いたく」と朝へ手続きをとらせたのだった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
微賤な一廷尉の分際が、かくも長々と、愚言を奏したてまつろうなどとは、たれしも夢思わぬことではあったが、賜謁をお取次いたした奏者のつみも軽くない。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
浅二郎の望みで、賜謁は大書院に於て行われる事になった。
— 山本周五郎 『入婿十万両』 青空文庫