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鐚銭

びたせん異読 びたぜに
名詞
1
標準
coin of the smallest value
文例 · 用例
鐚銭一文出しやがらんでお前、代りに暇出しやがって。
横光利一 南北 青空文庫
女房は世間並に一人あるが、醜婦で稼ぎ人で、加之に子供を生む事を知らないので、金は溜る一方であつたが、夫婦とも揃ひも揃つた吝嗇坊で、寄附事といつたら鐚銭一つでも出し惜みをした。
大正五(一九一六)年 茶話 青空文庫
女史は毎週、土曜日の午後、定つたやうに鎌倉の別荘へ出掛けるが、そんな折にも鐚銭一つ持合さないのが何よりの自慢らしい。
大正六(一九一七)年 茶話 青空文庫
李はその話を聞くと真蒼になって声をふるわせ、亭主が何しろ半兵衛で鐚銭一文持たないごろつきであるから、入院などとても覚束ない、助けると思ってここに治るまで寝かせてくれとすがり附いて頼んだ。
金史良 光の中に 青空文庫
この騒ぎのもとはなにかというと鐚銭十文ですむところを、錠銀一個を投じたためであった。
久生十蘭 呂宋の壺 青空文庫
が、五千両は愚か、鐚銭一枚その辺りには見付かりません。
路地の小判 銭形平次捕物控 青空文庫
返って来た小判や茶碗を見ると、疑いもなく元のままの真物で、贋物と摺り替えた形跡は少しもなく、あんなに骨を折って盗った癖に、鐚銭一枚身に着けないのですから、この泥捧の目的ばかりは全く見当も付かないのでした。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫
「あの地蔵様に上げた青銭や鐚銭が、ピカピカする一分金や板銀に変るとよ」「俺もやってみよう、少し元金を借しな」「何を言やがる、手前に借すくらいなら、俺が持って行って自分でやるよ。
人肌地蔵 銭形平次捕物控 青空文庫
作例 · 標準
「お前のような怠け者にやる鐚銭など、この家には一枚もないわ!」と主人は若い奉公人を厳しく叱り飛ばした。
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戦乱の時代、幕府が発行した正式な貨幣ではない粗悪な鐚銭が市場に大量に出回り、経済を混乱させたという。
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当時は良質な硬貨が極端に不足していたため、縁が欠け、文字の潰れた鐚銭であっても、人々は日々の取引に使わざるを得なかった。
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