朝涼
あさすず
名詞
標準
morning chill (of a summer's day)
文例 · 用例
朝涼の内に支度が出来て、そよそよと風が渡る、袖がひたひたと腕に靡いて、引緊った白の衣紋着。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「いや、」一葉女史の墓だときいて、庭の垣根の常夏の花、朝涼だから萎むまいと、朝顔を添えた女の志を取り受けて、築地本願寺の墓地へ詣でて、夏の草葉の茂りにも、樒のうらがれを見た覚えがある…… ……とばかりで、今、今まで胴忘れをしていた、お京さん……が、何しに来たろう。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
天王寺の朝涼朴の木に白き花群れ、塔はあり、ひむがしの方。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
波だつや、空の朝涼、抛物線、小鳥飛ぶ、飛ぶ。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
残暑の強い折柄であるから、なるべく朝涼のうちに行って来ようというので、ふたりは明け六つ(午前六時)頃から江戸川端の家を出て、型のごとくに墓参をすませて、住職にも逢って挨拶をして、帰り途はあずま橋を渡って浅草の広小路に差しかかると、盂蘭盆であるせいか、そこらはいつもより人通りが多い。
— 岡本綺堂 『離魂病』 青空文庫
主人はけさも朝涼に庭を散歩する。
— 伊藤左千夫 『箸』 青空文庫
七月の初め、むかしの暦でいえばもう秋であるが、残暑はなかなか強いのと、その医者は非常に繁昌で、少し遅く行くといつまでも玄関に待たされるおそれがあるのとで、お藤は努めて朝涼のうちに家を出ることにしていた。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
朝涼のあいだと云っても一里半ほどの路を来たので、駕籠屋は汗びっしょりになって、店さきの百日紅の木の下でしきりに汗を拭いています。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
作例 · 標準
朝涼の例文