若禿
わかはげ
名詞
標準
文例 · 用例
ぼくは黒井さんが好きでしたし、その若禿の為に、許婚を失ったという、噂話もきかされているので、唱う気にはなれません。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
ところが、或る晩、岸本が少々酔って、帰りかけると、扉の外に「若禿」がよっかかるようにして立っていた。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
「若禿」はまんなかの卓子に坐って、アサヒ・カクテルを三つ、三つだと念を押して、それからふと立上って、蓄音器のところへ行き、しきりにレコードをしらべて、一枚の夜想曲をかけさせ、このバー独特とかいうすっきりしたカクテルが来ると、マダムを呼びよせ、岸本とマダムの手に一杯ずつ持たせて、立上ったのである。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
」 それが「若禿」に衝動を与えたらしかった。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
「若禿」の言葉に彼の頭はひっかかったのだった。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
それを「若禿」が知ってるのが不思議だった。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
岸本は茫然として、マダムの方を見やると、彼女は「若禿」の言葉が聞えるのか、聞えないのか、澄しきった様子で、サチ子と笑顔で何か囁きあいながら、夜想曲に耳を傾けてるのであった。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫
「若禿」はまだ岸本の手を握りしめて、饒舌り続けてるのである。
— 豊島与志雄 『田舎者』 青空文庫