領外
りょうがい
名詞
標準
文例 · 用例
)は、松前渡海の津にて、津軽領外ヶ浜にありて、日本東北の限りなり。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
先輩役者の舞台も毎日見て、身ぶり・声色をまね暮したらうが、まだ心まで沁みてとり込む筈もない子役の中に通り過ぎた延若・宗十郎の舞台は、本領外の女形に手を出す事が少かつた。
— ――中村魁車を誄す―― 『街衢の戦死者』 青空文庫
そこで苦肉の策を案じ、ちょうど欧州大戦中であったから、ボースを世界の敵なる独逸の秘密探偵として日本に潜入したものであるとなし、彼が日本から追われて領外に出るのを待って殺そうという計画を立てた。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
――「領内の人民が悦服すれば、領外の者も慕って参りましょう。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
又小田原の北条早雲は、盲人は無用の者であるから領内のめくらを搦め取って海に沈めよと云う触れを出し、その噂を聞いて領外へ逃げ散った盲人の或る者を密かに間者に用いていた。
— 第二盲目物語 『聞書抄』 青空文庫
法も行き過ぎてはこれを明かに処すこともできず、法なきほうが勝るようなことになる」 長作の身は、命じて長屋で飯を食べさせ、領外へ逐放してすましてしまった。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
時服、黄金など与えて、鄭重に、領外へ送り出すがよい」「は。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
その前から、将軍義昭の扈従細川藤孝が、二、三度、彼の邸を訪れたことなどもあると聞えたので、太守朝倉義景は、「さては、光秀を使嗾して、他国へ使いさせたにちがいない」 と、暗に、将軍義昭を責めて、これを領外へ趁いたてた。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫