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差し入る

さしいる
動詞
1
標準
文例 · 用例
海峽の霧の夜に朧ろな月が差し入る時、または靜かな秋の夜にポプラのわくら葉がかさこそと散るのを聞く時、彼等は密かに床の上にぬかづいて、心から神に祈るのであらう。
南部修太郎 修道院の秋 青空文庫
贄卓の上の色硝子の窓から差し入る夕日が、昔の画家が童貞女の御告の画にかくやうに、幅広く素直に中堂に落ちて、階段に敷いてある、色の褪めた絨緞を彩つてゐる。
DIE FLUCHT 駆落 青空文庫
日の中はかうしてうやむやに過ぎてもゆくが、夜が來て酒倉の暗い中から※すり歌の櫂の音がしんみりと調子をそろへて靜かな空の闇に消えてゆく時分になれば赤い三日月の差し入る幼兒の寢部屋の窓に青い眼をした生膽取の「時」がくる。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
闇の中へ差し入る光は最も美しい。
三木清 西田先生のことども 青空文庫
舞台ほの暗く、正面の露台から星明りが差し入る
――市川猿之助氏のために―― 若き日の成吉思汗 青空文庫
第一場より一か月後の夜、隙間より月光差し入る
倉田百三 俊寛 青空文庫
火気の満たる室にて頸やいたからん、振あぐる鎚に手首や痛からん」 女は破れ窓の障子を開らきて外面を見わたせば、向ひの軒ばに月のぼりて、此処にさし入る影はいと白く、霜や添ひ来し身内もふるへて、寒気は肌に針さすやうなるを、しばし何事も打わすれたる如く眺め入て、ほと長くつく息、月かげに煙をゑがきぬ。
樋口一葉 軒もる月 青空文庫
女は破れ窓の障子を開きて外面を見わたせば、向ひの軒ばに月のぼりて、此處にさし入る影はいと白く、霜や添ひき來し身内もふるへて、寒氣は肌に針さすやうなるを、しばし何事も打わすれたる如く眺め入りて、ほと長くつく息月かげに煙をゑがきぬ。
樋口一葉 軒もる月 青空文庫
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