栖
すみか
名詞
標準
文例 · 用例
脚下には、富士五湖中で一番深いといわれている本栖湖、それを囲んだ丘陵、遥に高く、天子山脈や、南アルプスの大屏風が立ちふさがっている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
とにかく、この辺には、昔の蝦夷の栖家の面影は少しも見受けられず、お天気のよくなつて来たせゐか、どの村落も小綺麗に明るく見えた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
主婦の栖子は、園主で園芸技師の尾佐とは恋愛から、無理に富裕な実家を抜け出て、この踏花園に同棲したものなのだが、だんだん掴みにくくなる尾佐の性格に根気も尽きるほどになっていた。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
そんな風に尾佐は頼りないので、栖子は尾佐が職業上の助手にするといって、家庭に寄寓を許した千代重を、自分にも助け舟のように思った。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
この青年はかつて二、三度学校の権威ある先輩として、尾佐を踏花園に訪ねて来たことがあるので、栖子は未知な間柄ではない。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
時には女の始末すべきものまで彼は片付けにかかるので、栖子はいった。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
「この位なこと恥かしがることがありますか、恋愛したり、子供を産んだり、さんざん恥かしいことを平気でして来た癖に」 栖子は黙って任すより仕方がなかった。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
栖子はやっぱり尾佐を想っていた。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫