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宿次

しゅくつぎ
名詞
1
標準
文例 · 用例
相棒、お客様は宿次ぎとおっしゃる」「合点だ」「時に旦那、そうなりますというと、御如才もございますまいがねえ……」「よしよし、大概のところは心得ているから安心してやれ」 そこで兵馬は、二朱銀を幾つか紙に包んで与える。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫
さあお前たち、わしは少し腹工合が悪いから、途中、飲物も食物も取らないつもりだ、通しでやろうとも、宿次ぎでやろうとも、一切お前たちに任せるから、こちらから求めるまでは、一切わしには挨拶なしでやってくれ」「よろしうございます、そのつもりで一番馬力をかけようぜ、相棒」「合点だ」 駕籠はまたもや走り出す。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫
やむことを得ざる必要以外には、今まで馬駕籠に乗ったこともなし、乗るべき身分でもなし、かえって旅装かいがいしく草鞋がけか、或いは足駄がけで、さっさと五里十里の道を苦としなかったもの、それを今は、大風に通し駕籠でなければ宿次ぎで、甲州へ急がせようとする。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫
通しであったか、宿次ぎであったか、それさえもわからず、ようやく甲斐国東山梨、松里村の名刹恵林寺の門前に着いた宇津木兵馬。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫
あとで、駕籠屋に向ってお蘭が駕籠の中から言いました、「下呂の湯までずっと通したいのですが、途中、小坂の問屋へちょっと寄って下さい、頼みます」「承知いたしました」 難なく二個の駕籠は、ここで宿次の形になって、まだ明けやらぬ森林の闇に向って飛ばせるのです。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
鼠小僧の墓 八丁堀無宿次郎太夫事、次郎吉。
木村荘八 両国今昔 青空文庫
と、この朝早くから、もう宿次の駕、飛脚屋などが、雑鬧している立場の茶店から、じッと異様な眼で、自斎の姿を見るより、軒を離れて突ッ立った旅姿の男がある。
吉川英治 剣難女難 青空文庫
『これっ、やろうとは何だ、迅く出せっ』『一ぷく吸ろうってんだ、煙草休みよ』『不埓を申せっ、宿次ぎ早駕の掟を知らんか。
吉川英治 新編忠臣蔵 青空文庫