幻辞.com

足探り

あしさぐり
名詞
1
標準
文例 · 用例
で、その下りる方へ半町ばかりまた足探り試みたのであるが、がけの陰になって、暗さは暗し、路は悪し、灯は遠し、思切って逆戻りにその饂飩屋を音訪れたのであった。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
それでも自分は手探り足探りに奥まで進み入った。
伊藤左千夫 水害雑録 青空文庫
店の女房は少し剥げた塗盆へ水を一|杯に汲んだ飯茶碗を載せて「ちつとおめえ等退つてくんねえか」といひながら人々の間を足探りに歩いて巫女の婆さんの前へ置いた。
長塚節 青空文庫
叔母や従同胞等は日が暮れて間もなく寝て了ふのだから、酔つた叔父は暗闇の中を手探り足探りに、己が臥床を見つけて潜り込むのだつたさうな。
石川啄木 刑余の叔父 青空文庫
旅人は途方にくれましたが、後へ帰るにしても人家のある処へは、一里ばかりもありますので、暗い路を足探りに探って、上へ上へと登りました。
田中貢太郎 死人の手 青空文庫
玲子はまた急に悲しくなりながら、サルーンの電燈を消して、ギシギシと鳴る階段を手探りの足探りにして三階の方へ上って行った。
夢野久作 継子 青空文庫
それから電燈を消して、足探りで台所|草履を穿いて、裏口へ出て、アトをピッタリと閉めた。
夢野久作 芝居狂冒険 青空文庫
……もとの処に返しておこう……というような気もちで足探りしいしい庭下駄を突っかけましたが、あまりあわてておりましたせいか、思わず前にノメリそうになった拍子に、真暗なお庭の沓脱石のあたりへ卵をコロリと取り落しました。
夢野久作 青空文庫