寅卯
とらう
名詞
標準
文例 · 用例
その英吉が、金の性、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が美い指の節から、寅卯戌亥と繰出したものである。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
かくて日本、カンボジア、蒙古人等が鼠牛虎兎というと異なり、子丑寅卯と形而上の物の名で数える事となってより十二支と十二禽を離して念ずる事が出来た。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
寅卯の時ばかりに、ぬ島といふ所を過ぎてたな川といふ所を渡る。
— 紀貫之 『土佐日記』 青空文庫
若き時酒のみてとろとろ眠りし心地と狎れたる妓のもとに通いし楽は世をへだてたるごとくなりきと書いた文章の事をしみじみと語り出して、その終に添えた狂歌一首、「ながらへば寅卯辰巳やしのばれん、うしとみし年今はこひしき。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
子丑寅卯の十二支を十二ヵ月に割り当てると、正月が寅だから旧十月は亥の月であった。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫
また同郡江崎村の条「うそ越の岬より六町ほど沖寅卯の方に当りて中ぐりと申す瀬ばえ、広さ竪横ともおよそ四五十間も御座候。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫