禁じ得ない
きんじえない
表現形容詞
標準
cannot help (laughing, feeling sympathy, etc.)
文例 · 用例
正直に告白すると、かうした訳を読んで滑稽になり、いつも失笑を禁じ得ないのである。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
一首一首を詠んでそれぞれ生きた感情に触れ、更に全体を読去って、また全体から受ける共鳴の響きが、暫くの間読者の胸に揺らぐを禁じ得ないのである。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
これ、これが、私の最も関心を有し、かつ久しく待ち望んでいたところのものでございまして、もうこれからは私も誰はばかるところなく、男性の権利を女性に対して主張する事が出来るのかと思えば、まことに夜の明けたる如き心地が致しまして、おのずから微笑のわき出るのを禁じ得ないのでございます。
— 太宰治 『男女同権』 青空文庫
その印刷所から逃げ出してからの私の生活たるや、お話にも何にもならぬていたらくのものでございまして、いま思い出しても、まるで地獄の走馬燈を呆然と眺めているような気持が致しまして、よくまあ発狂もせず餓え死もせず、こうして生き伸びて来たものだと我ながら驚歎の念を禁じ得ないものがございます。
— 太宰治 『男女同権』 青空文庫
二|本目を吸ひつけた時、彼は不安の念を禁じ得ないのであつた。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
諸君はその軽薄に不快を禁じ得ないだろう。
— 宮沢賢治 『ビジテリアン大祭』 青空文庫
日頃酒を好む者、いかにその精神、吝嗇卑小になりつつあるか、一升の配給酒の瓶に十五等分の目盛を附し、毎日、きっちり一目盛ずつ飲み、たまに度を過して二目盛飲んだ時には、すなわち一目盛分の水を埋合せ、瓶を横ざまに抱えて震動を与え、酒と水、両者の化合|醗酵を企てるなど、まことに失笑を禁じ得ない。
— 太宰治 『禁酒の心』 青空文庫
私はかういふ風に想像することを禁じ得ないのである。
— 森林太郎 『長谷川辰之助』 青空文庫