寺名
てらめい
名詞
標準
文例 · 用例
諸子中此人は嶺松寺に葬られざるが故に、わたくしは特に寺名を抄出した。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
又これは別の話ぢやが、先祖から伝はつた酒杯を相手に、時をり管を巻くことの好きな寺名主が、ある時チビリチビリやりだして、まだ二杯とは傾けんのに、ふと見ると、その酒杯がこちらを向いてこつくりこつくりお辞儀をしてゐる。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
山寺名勝志に據れば、大師は、最上川の御殿と稱する處を開鑿して瀦水を排し、沮洳卑濕なる村上四郡を耕田と爲せり。
— 大町桂月 『遊羽雜感』 青空文庫
金竜山浅草寺名代の黄粉餅、伝法院大|榎下の桔梗屋安兵衛てんだが、いまじゃア所変えして大|繁昌だ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
その他、しじみ屋、下駄の歯入れ、灰買い、あんま師、衣紋竹売り、説経祭文、物真似、たどん作り……そういった人たちが、この竜泉寺名物、とんがり長屋の住人なので。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
最初先ず三島から豆相鉄道へ乗かえて修善寺の温泉へ往ったが修善寺名物の椎茸を沢山買って来た。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
これは茂林寺名物の分福茶釜をかたどったもので、それに毛が生えて、絵本通りの狸に化けたところを、大きな張物にこしらえて、それを真中に舁ぎ上げて、日ならず江戸の市中へ乗込もうというのは、まだ噂だけであって事実に現われたわけではないが、その噂は早くもこちらに響いて喧しいものです。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そこではじめて寺名を人に尋ねてみると、みんな古来有名な寺だ。
— 坂口安吾 『醍醐の里』 青空文庫