黙笑
もくわらい
名詞
標準
文例 · 用例
その必死な母親の怒りに対して父親は張合いもなくうす苦く黙笑してばかりいる。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
かの女はぎょっとして、むす子に何か黙笑によって批判される行動でもあったのかと胸をうたれた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
この人は高見といって、一二度ある催しに自分を招いてくれた人で、人のよさそうな黙笑をその少し酔いの出た、そして睡そうなあの顔に続けている。
— 岩野泡鳴 『猫八』 青空文庫
いや、待ち伏せしたと申した方が当っておるやも知れん」 因幡守の諧謔に、人々はみな和やかな笑い声や黙笑を流した。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
けれど、かれは黙笑している。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
美濃部も柘植も黙笑して聞いているだけである。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
一方、近江境まで来ていた柴田軍も、これまた、大事すでに去ると、茫然、進軍を見合わせておる様子です」 秀吉は黙笑のうちにつぶやいた。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
そこで、もうろうたる人影は、ニヤリと黙笑の歯を見せたようです。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫