様程
さまほど
名詞
標準
文例 · 用例
しかじか斯々でごぜえますからと早く言えばいいものを、お殿様程の分った御前を、怕いの恐ろしいのと思い違えて逃げ帰ったのがこんな騒ぎのもととなったんでごぜえます」「不埓者めがッ。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
秀麿は位階があるので、お父う様程忙しくはないが、幾分か儀式らしい事もしなくてはならない。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
お母あ様程には、秀麿の健康状態に就いて悲観していない父の子爵が、いつだったか食事の時息子を顧みて、「一肚皮時宜に合わずかな」と云って、意味ありげに笑った。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
仮令泥棒にもせよ、貴様程の奴が、姿を現してくれたのだから、一概に野暮な業もせぬつもりだ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
こう申しては勿体ないのですが、旦那様程の御人の好い御方ですら制えて制えきれない嫉妬の為めには、さあ、男の本性を顕して――獣のような、戦慄をなさいました。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
悪党がる者には、さほどの悪党はないように、ピグミーがピグミーである間は、単に、いたずら者で、悪魔としても、恐怖すべき悪魔ではないにきまっているが、扱いようによってはピグミーとても、悪魔がもたらすと同様程度に近いまでの恐怖を、持ち来すかも知れません。
— 鈴慕の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
重蔵様程のご舎弟ゆえ、今にきっと兄上に代って天晴れなお腕前になるであろう。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
善光寺の御堂も淺草の觀音樣程なつかしくなかつた。
— 水上瀧太郎 『山を想ふ』 青空文庫