細かしい
こまかしい
形容詞
標準
文例 · 用例
二人の間にあったことの細かしい点は、僕の記憶から消えうせていますし、またよしんば覚えているにしたところで、そんなことを、誰が面白がるでしょう?
— ツルゲーネフ 『はつ恋』 青空文庫
二人は事務員に帳簿を持ってこさして、長いあいだ細かしいことを話し合っていた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
子供に対して細かしい理解のない老人の手に扱われて泣いている子供の声は、傍に見ている笹村の頭脳に針を刺すように響いた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
一四 木口こそ真新しいが、殺風景な客間に導かれたお初、皺ばんだ着物をいくらか苦にして、すんなりと坐ったが、相手は、そんな細かしいところまで気のつく男でもなさそうだ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
根気が強くて、どんな細かしい事でもコツコツとやって居た。
— 宮本百合子 『ひととき』 青空文庫
こういう細かしいことは、いずれまたお目にかかれます折に。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
そしてわたしの美女に対する細かしい観賞、きりきざんだ小論はそうした書にしるしておいた。
— 長谷川時雨 『明治美人伝』 青空文庫
種々な、細かしい煩ささが彼女を取巻いたのを、正直でむきな心はむしゃくしゃとして、共にありし日が恋しくて堪えられなくなったのであろうと思うと、気がさものばかりが知るわびしさと嘆きを思いやり、同情はやがて我心の上にまでかえって来た。
— 長谷川時雨 『松井須磨子』 青空文庫