銭形
ぜにがた
名詞
標準
文例 · 用例
第四|角まで後方の馬ごみに包まれて、黒地に白い銭形紋散らしの騎手の服も見えず、その馬に投票していた少数の者もほとんど諦めかけていたような馬が、最後の直線コースにかかると急に馬ごみの中から抜け出してぐいぐい伸びて行く。
— 織田作之助 『競馬』 青空文庫
第四角まで後方の馬ごみに包まれて、黒地に白い銭形紋散らしの騎手の服も見えず、その馬に投票していた少数の者もほとんど諦めかけていたような馬が、最後の直線コースにかかると急に馬ごみの中から抜け出してぐいぐい伸びて行く。
— 織田作之助 『競馬』 青空文庫
銭形金形ついたお守りくんさんしよ。
— 北原白秋 『お月さまいくつ』 青空文庫
その名の御幣餅にふさわしく、こころもち平たく銭形に造って串ざしにしたのを、一ずつ横にくわえて串を抜くのも、土地のものの食い方である。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
ふと気がつくと、帰雁の柄へかけた右手の甲に、夜目にも白い雨滴が流れて、さっきの騒ぎに傘を切られた篁守人、頭からびしょぬれになって橋場の通り銭形のまえに立っている。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
瞳を凝らしてなおも窺えば、枕に近い小机に樒が立ち、香を焚き、傍には守刀さえ置いてあり、すこし離れて、これは真新しい早桶、紙で作った六|道銭形まで揃っている工合い。
— 槍祭夏の夜話 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
蝮はしかし穏しく、銭形模様の美しい体を、五寸ばかり懐中から抜き出して、陽の中でその体をテラテラ光らせ、口から緋色の舌を吐いてみせた。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
……」 この時早瀬の懐中から、銭形模様の艶のある紐が、五寸あまり延びて出た。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫