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見詰める

みつめる
動詞
1
標準
文例 · 用例
そして、もう大丈夫と思われる辺で、樹の幹を盾にとって、煙を吐いている、ハッパの穴の辺を、ベルを急調子に振りながら、見詰めるのであった。
――生きる為に―― 山谿に生くる人々 青空文庫
社会では、僕らの生命はそれを顧みる暇のないほど多忙に搾取され、その溝だまりに投げ込まれるが、監獄では、ただじっとそれを見詰めるというだけのものだ」藤原は、静かにデッキへ出て行った。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
」 とじっと見詰めると、恍惚した雪のようなお君の顔の、美しく優しい眉のあたりを、ちらちらと蝶のように、紫の影が行交うと思うと、菫の薫がはっとして、やがて縋った手に力が入った。
泉鏡花 縁結び 青空文庫
夜を一つの大きな眼とすれば、これはその見詰める瞳である。
岡本かの子 河明り 青空文庫
商売の算段もなまり、倉々を見廻る眼力もにぶつたが、人知れず遠くから離れ家を見詰める宗右衛門の眼の色は、異様に光つた。
岡本かの子 老主の一時期 青空文庫
店を照らしているカンテラの赤い灯を見詰めると直ぐ湯に入った気持がした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
わたくしは、また、ほの/″\としたリプトンの紅茶の陽気に身体中の神経を寛がせながら、「あんた、また何を言い出すつもりなの」 と、やゝ子供をたしなめるような調子で、眼はそのまゝ池上の見詰めるに任したまゝ反問しました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
見詰めるのに堪えないで、自分がわき見をすればそれ等もわき見をして、そこにまた新なる眼の焦点に新なる分身の苦渋な姿が、自分よりも鋭く、自分を見詰めて来る。
岡本かの子 生々流転 青空文庫