薄赤い
うすあかい
形容詞
標準
文例 · 用例
颯然と二の腕を捲ると、生白い肌が現出れて酒氣を帶びた頬が薄赤い。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
ごらんなさいましという、言葉が道をつけて、隧道を覗かす状に、遥にその真正面へ、ぱっと電燈の光のやや薄赤い、桂井館の大式台が顕れた。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
……饂飩屋の門に博多節を弾いたのは、転進をやや縦に、三味線の手を緩めると、撥を逆手に、その柄で弾くようにして、仄のりと、薄赤い、其屋の板障子をすらりと開けた。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
実は一枚、あることはあるのだが、これは私が高等学校の、おしゃれな時代に、こっそり買い入れたもので薄赤い縞が縦横に交錯されていて、おしゃれの迷いの夢から醒めてみると、これは、どうしたって、男子の着るものではなかった。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
薄赤い縦横の縞は、不潔な渋柿色を呈して老婆の着物のようである。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
白くまんまるい顔で、ロイド眼鏡の奥の眼は小さくしょぼしょぼして、問題の鼻は、そういえば少し薄赤いようであったが、けれども格別、悲惨な事もなかった。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
少女は此二階家の前に来ると暫時く佇止って居たが、窓を見上げて「江藤さん」と小声で呼んだ、窓は少し開ていて、薄赤い光が煤に黄んだ障子に映じている。
— 国木田独歩 『二少女』 青空文庫
外の廊下の鈍い、薄赤い明りで見れば、影のように二三人の人の姿が見える。
— リルケ Rainer Maria Rilke 『白』 青空文庫