鰊漁
にしんりょう
名詞
標準
文例 · 用例
鰊漁場の漁夫の雇傭契約が、前年内に取りきめられる例であるということは、人におしえられるまでもなく源吉も知っていた。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
――どこへ行っても話は今年の鰊漁の予想でもちきりだ。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
――そうしているあいだにも執念く彼の頭にこびりついてはなれないものは、毎年鰊漁のはじまる前には、必らず出かける、そして今年も一月早々雪のなかを出かけて行った小樽の町の、その町じゅうで一番の海産物問屋大山のことであった。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
鰊漁業などという堅実味のない、経営主の信用状態もあやふやなものに融資するほどに、銀行の金は遊んではいなかった。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
建網に損じの有る無し、網をおろす場所の海底の模様、大釜を据えるべき位置、桟橋の改造、薪炭の買い入れ、米塩の運搬、仲買い人との契約、肥料会社との交渉‥‥そのほか鰊漁の始まる前に漁場の持ち主がしておかなければならない事は有り余るほどあるのだ。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
真岡は原名エンルモコマブ、樺太西海岸での第一の殷賑な小都会で、鰊漁で有名だというが、パルプ工場以外、夏にはさして興味を惹く街でもなさそうに見えた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
その川筋はまた鰊のよく獲れるところで、ええ、後で車掌に鰊漁のお話でも致させたいと思いますから。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
「皆さん、鰊漁のお話をいたすそうです。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫