横這い
よこばい
名詞
標準
文例 · 用例
犬はさきに立って崖を横這いに走ったりざぶんと水にかけ込んだり淵ののろのろした気味の悪いとこをもう一生けん命に泳いでやっと向うの岩にのぼるとからだをぶるぶるっとして毛をたてて水をふるい落しそれから鼻をしかめて主人の来るのを待っている。
— 宮沢賢治 『なめとこ山の熊』 青空文庫
第一の石門を出る頃から、岩の多い路はいちじるしく屈曲して、あるいは高く、あるいは低く、さらに半月形をなした第二の石門をくぐると、蟹の横這いとか、釣瓶さがりとか、片手繰りとか、いろいろの名が付いた難所に差しかかるのです。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
前にも申した通り、文阿は十蟹の図をかきかけて出て行ったので、その座敷はそのままになっていたのですが、あとであらためてみると、絵具皿は片端から引っくり返されて、九匹の蟹をかいてある大幅の上には墨や朱や雌黄やいろいろの絵具を散らして、蟹が横這いをしたらしい足跡がいくつも残っていました。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
私がこんなことを思っていると、蟹は横柄な足どりで、横這いに草のなかに姿を隠してしまった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
まるで必死になって走る横這いの蟹のように。
— 金史良 『親方コブセ』 青空文庫
なぜ松本氏が拒絶したかといえば「蟹の横這い」が厭だったというのです。
— ――一九四八年十二月二十五日、新日本文学会主催「文芸講演会」における講演―― 『平和運動と文学者』 青空文庫
天皇がまっすぐに向っているのに、同じ人間の議員は体を横にして横這い歩きをして出たり入ったりする。
— ――一九四八年十二月二十五日、新日本文学会主催「文芸講演会」における講演―― 『平和運動と文学者』 青空文庫
あの当時「横這い」ということはずいぶんわたしたちの印象に残ったと思うのです。
— ――一九四八年十二月二十五日、新日本文学会主催「文芸講演会」における講演―― 『平和運動と文学者』 青空文庫