伸張
しんちょう
名詞
標準
文例 · 用例
写真乾板の感光膜をガラスからはがすために特殊の薬液に浸すと膜が伸張して著しいしわができるのであるが、そのしわが場合によっては上記の樹枝状とかなりよく似た形を示すことがある。
— 寺田寅彦 『物理学圏外の物理的現象』 青空文庫
草木は動物と違つて、或る地點に植ゑらるれば、復自ら移動する能はざるものであるが、斷えず努力して新しい土へ/\と其の根を伸張させて居る者である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
で、土中に於て或障害に遭遇して復根を新土に※入する能はざるに至れば、其の發達は停止するの傾を爲すが、幸にして障害物の罅隙等を穿つて復び新しい土地に其の根を伸張するを得れば、俄然として活氣は増加し、發達は復び遂げらるゝのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
草木は動物と違って或る地点に植えられれば、また自分では移動することが出来ないものであるが、絶えず努力して新しい土へ土へとその根を伸張させているものである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
その時に土中の障害に遭遇して根を新土に延ばすことが出来なくなると、その発達は停止する傾向を為すが、幸にして障害物の隙間等を穿って再び新しい土地にその根を伸張できれば、急激に活気は増加し、発達は再び遂げられるのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
盆栽のようなものは固定されて生を保つものであり、新しい土地に根を伸張しようにもそれが出来ないので、自然に放置すれば幾年もなくして枯死するのを免れないのであるが、上手に之を保って老蒼の態(古色蒼然の姿)を生じさせる技を持つ人の為す所を見れば、常に抑損法を施しているのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
こうした音や動画を扱っていくにあたっては、限りあるメモリの中でやり繰りするためにデータをどう圧縮し、それをどう伸張して再生するかが大きなポイントとなる。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
成程、歴史の歩みは寸時もその歩調をかへず、その根本に於いては幕府の声威は日々に衰勢を見せてゐるが、表面に現はれたこれらの事件の結果は、必ずしも勤皇運動の伸張を意味するものではなかつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫