都人士
とじんし
名詞
標準
city dweller
文例 · 用例
こういう生活は少なくとも大多数の日本の都人士には到底了解のできない不思議な生活である。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
アランの島民たちと、現にこの映画を見ている都人士とで、人生というものの概念がどれくらいちがうであろうか、というようなことも考えさせられた。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
いよいよその時代が来るころには、あるいは草木染めの手織り木綿が最もスマートな都人士の新しい流行趣味の対象となるという奇現象が起こらないとも限らない。
— 寺田寅彦 『糸車』 青空文庫
それはとにかく、この「山火事と野猪」の詩や、「たぬきの舞踊」の詩には現代の若い都人士などには想像することさえ困難であろうと思われるような古い古い「民族的記憶」といったようなものが含まれているような気がする。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
六国史などを読んで、奈良朝の昔にシナ文化の洪水が当時の都人士の生活を浸したころの状態をいろいろに想像してみると、おそらく今の東京とかなり共通な現象を呈していたのではないかと思われることがしばしばある。
— 寺田寅彦 『カメラをさげて』 青空文庫
彼等朴直勤勉なるべき地方人士をして、かくも懦弱に、かくも不真面目ならしめたのは、偽文明の悪風|漸く日本の奥までも吹き込んで、時々この辺に来る高慢な洋人輩や、軽薄な都人士等の悪感化を受けた故もあろう。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
都人士もし此事を疑はば、請ふ直ちに來れ。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
成程と、至極物分りのいい邯鄲の都人士は直ぐに合點した。
— 中島敦 『名人傳』 青空文庫