薄ら眠い
うすらねむい
形容詞
標準
文例 · 用例
「やあ、浦島が昼寝をしているところへ、乙姫さんが舞い込んで来たね」と、半七は薄ら眠いような眼をこすりながら笑った。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
劇しい仕事のなかに、朝から薄ら眠いような顔をしている乱次のない小野田の姿が、時々お島の目についた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
蓄音器に、レコードを取かえながら、薄ら眠い目をしている小野田の傍をはなれて、お島はその男と、そんな話に耽った。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
彼は暖かいような、薄ら眠いような、なんともいえない心持で、庭の冬木立ちのあいだをくぐりぬけて、ふらふらと表門の外へ出ると、月はいよいよ明るかった。
— 岡本綺堂 『鷲』 青空文庫
「阿母さんは遅いなあ」と、十吉は薄ら眠いような声でつぶやいた。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
為子の話によると、ふたりが湯風呂の中にゆっくり浸っていると、なんだか薄ら眠いような心持になった。
— 岡本綺堂 『五色蟹』 青空文庫
一体、きょうは風も吹かず、日も照らず、なんだか薄ら眠いような日和だ。
— 岡本綺堂 『蟹満寺縁起』 青空文庫
そんならそれで、此方にも了見があるぞ――彼は、薄ら眠い頭の隅に、出たらめな力を忍ばせたりした。
— 牧野信一 『或る五月の朝の話』 青空文庫