見窄らしい
みすぼらしい
形容詞
標準
文例 · 用例
二 夜、丸の内の淋しい町を歩いていたとき、子供を負ぶった見窄らしい中年の男に亀井戸|玉の井までの道を聞かれ、それが電車でなく徒歩で行くのだと聞いて不審をいだき、同情してみたり、また嘘つきのかたりではないかと疑ぐってみたりしたことがあった。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
その地平線の一方には上野|竹の台のあの見窄らしい展覧会場もぼんやり浮き上がっているのに気が付く。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
兎も角も自分の子供の時にはみんな貴重な舶來物であつた品物が、ちやんと此處等のこんな見窄らしい工場で出來て綺麗なラベルなどを貼られて市場に出てくるのであらう。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
今は、この見窄らしい薔薇が、どんな花をひらくか、それだけに、すべての希望をつながなければならぬ。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫
それは彼の田舎の家の前を通っている街道に一つ見窄らしい商人宿があって、その二階の手摺の向こうに、よく朝など出立の前の朝餉を食べていたりする旅人の姿が街道から見えるのだった。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
薄給から金をしぼりとられて行くことへの悲しさと怒りからであったが、しかし、そうと許り云い切れないほど、順平は見窄らしい恰好をしていた。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
薄給から金をしぼりとられて行くことへの悲しさと怒りからであったが、しかし、そうと許り言い切れないほど、順平は見窄らしい恰好をしていた。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
」と、もう一呼吸、帽子を深草、蓑より外套は見窄らしい。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫