棗売り
なつめうり
名詞
標準
文例 · 用例
パーキンスの『アビシニア住記』一にいわく、カルトウムで狗頭猴の牡一と牝二に芸させて活計する人予に語ったは、この牡猴は無類の盗賊で芸を演ずる傍一日分の食物を盗むから、マア数分間見ていなさいとあって、猴使いがその猴を棗売りの側へ伴い行き蜻蛉返りを演ぜしめた。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
たまたま一童強くその尾を牽いたので、さては露われたか定めて棗売りの仕返しだろうと早合点してその童子の側を通り、一両人の脚下を潜って棗売りに咬み付くところを猴使いが叱り止めて御無事に事済んだと。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
七人の棗売りが七輛の江州車(手押し車)を揃えて、ぞろぞろと、夕方の店さきに草鞋を脱いだじゃございませんか」「…………」 何濤の喉の肉が、ごくと鳴った。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
……それで国もとも濠州の同村、行く先は東京、商売は棗売り。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
――七人の棗売りと、一人の酒売りが、うまく狂言をかいて、あの道へさしかかった十七名の生辰綱輸送の兵に毒酒を食らわせて、十万貫の重宝を、一瞬に掻ッ攫っていってしまったという騒ぎ。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫