震え戦く
ふるえおののく
動詞
標準
文例 · 用例
私は全身の関節が、ガタガタと震え戦くのを感じながら、眼をマン丸く見開いて、その神々しい死顔を凝視した。
— 夢野久作 『眼を開く』 青空文庫
その播磨の陰に震え戦くお加世の三人だけになる。
— 林不忘 『稲生播磨守』 青空文庫
絶対の前に吾人の魂は震え戦くからだ。
— 豊島与志雄 『偶像に就ての雑感』 青空文庫
かくして彼は、人の名を騙って脅迫状を認め、それを自分の妻に送るという犯罪めいた興味と、妻がそれを読んで震え戦く様を天井裏から胸を轟かせながら隙見するという悪魔の喜びとを、合せ得ることが出来たのです。
— 江戸川乱歩 『陰獣』 青空文庫
黒川先生と奥さんとは、真青になって震え戦く鞠子さんを慰めるのにかかり切りであったし、外の会員達は、黒川家の書生や女中と一緒になって、失神した龍ちゃんの介抱に努めなければならなかった。
— 江戸川乱歩 『悪霊』 青空文庫
家庭教師の殿村夫人は、珠子が床についていたし、頼みに思う守青年が、三笠探偵を訪ねて不在になるので、その夜は相川家に泊ることにして、珠子のベッドの側に腰かけて、震え戦く少女を慰める役目を引受けていたが、守が出かけて間もなく、その殿村夫人が、何か顔色を変えて、慌しく主人操一氏の居間へ駈け込んで来た。
— 江戸川乱歩 『妖虫』 青空文庫
「へい、まったく、それだけのことで……」 と、一方が愈※ふるえ顫くと、「うむ、それなら勘弁してつかわそう。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
もし村川と倭文子が結婚したときなど、京子がいかなる態度に出るかを考えると、倭文子は魂の底まで震えおののくのだろう。
— 菊池寛 『第二の接吻』 青空文庫