突角
とっかく
名詞
標準
文例 · 用例
日向へ寢轉べば、そこは常に岬の突角だつた。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
松原が浜の突角に蒼く煙ってみえた。
— 徳田秋声 『蒼白い月』 青空文庫
やがて行く手の波の上にぼんやりと雷電峠の突角が現われ出した。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
これも牛乳のような色の寒い夕靄に包まれた雷電峠の突角がいかつく大きく見えだすと、防波堤の突先にある灯台の灯が明滅して船路を照らし始める。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
フランシスとその伴侶との礼拝所なるポルチウンクウラの小龕の灯が遙か下の方に見え始める坂の突角に炬火を持った四人の教友がクララを待ち受けていた。
— 有島武郎 『クララの出家』 青空文庫
彼らはその突角まで行ってまた立停った。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
禮文華峠の突角すら、魔女の髮のやうに亂れた初夏の雲の一部かと思はれる程朧ろである。
— 有島武郎 『潮霧』 青空文庫
掩護のために味方の打ち出した大砲が敵塁の左突角に中って五丈ほどの砂煙りを捲き上げたのを相図に、散兵壕から飛び出した兵士の数は幾百か知らぬ。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫