関東勢
かんとうぜい
名詞
標準
文例 · 用例
天守の千畳敷へ打込んだ、関東勢の大砲が炎を吐いて転がる中に、淀君をはじめ、夥多の美人の、練衣、紅の袴が寸断々々に、城と一所に滅ぶる景色が、目に見える。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
然し北条も大々名だから、上方勢と関東勢との戦はどんなものだろうと、上国の形勢に達せぬ奥羽の隅に居た者の思ったのも無理は無い。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
「しづ/\としつはらひ仕関東勢百万も候へ、男は一人もなく候よし雑言|申、大阪へ引取申候」と『北川覚書』に出ている。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
「男は一人もなし」と雑言しても、関東勢返す言葉はなかったろう。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
……正成自害したりと思わば、関東勢さだめて喜びをなし、下向するに相違ない。
— 国枝史郎 『赤坂城の謀略』 青空文庫
二十町あまりも落ちのびた時、今まで籠城していた赤坂城に――寄手の関東勢二十余万人を、釣塀、投大木、熱湯かけで、防ぎ苦しめた赤坂城に、焔が高く上ったのが見えた。
— 国枝史郎 『赤坂城の謀略』 青空文庫
佐和山は関東勢が固めているというし、石田軍の落人は捕まりしだいに首を斬られると聞いて、負けいくさになるまでそれほどでもなかったが、敗走を始めてから命が惜しくなった、ひじょうに惜しくなった。
— 山本周五郎 『蜆谷』 青空文庫
「宮方が先に起つか、関東勢の上洛が先か。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫