陥擠
おちいっせい
名詞
標準
文例 · 用例
宮のお気持ちをそれとなく観察してみても、自分の運命の陥擠であるものはこの恋である、源氏を忘れないことは自分を滅ぼす道であるということを過去よりもまた強く思っておいでになる御様子であったから手が出ないのである。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
都におけるいろいろな暗闘、陥擠、戦争、権勢の争奪、それからくる嫉妬、反感、憎悪。
— 菊池寛 『俊寛』 青空文庫
此の如くして教育せられたる児が、人と為りたる後において、たとひ刑法上の大罪を犯すに至らざるも、一身の利のために他人を陥擠するなどは、尋常の事として敢て悪事とも思はざるべし。
— 正岡子規 『病牀譫語』 青空文庫
右手に険崖|矗立せる所を陥擠山と呼び、ナザレ人等が基督を擠さんとせし所と伝ふ。
— エルサレムよりナザレへ 『馬上三日の記』 青空文庫