桴
ふ
名詞
標準
文例 · 用例
家隷は帰って、「しまいの四つだけは聞きましたが、総体の桴数はわかりません」と言った。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
また出羽最上川に薄黒くして扁き小蛇あり、桴に附いて人を捕り殺すという。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
彼が右手にもった桴で太鼓の皮をドーンと叩くと、胴の上に設けられてある小さい孔から、蠅が一匹ずつ、外へ飛び出す仕掛けになっていた。
— 海野十三 『蠅』 青空文庫
……」 声に応じて大蔵ヶ谷右衛門は、大鉞を抛り出し、傍らの陣鉦をムズと掴み、突っ立ち上がると見る間もなく、兵法に叶った桴さばき、哈々と鉦を打ち鳴らした。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
」 声に応じて眷族の一人――鳶の七九郎という男が、用意してあった鉦を取るや、桴さばき荒く打ち鳴らした。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
桴に乗りて海に浮ばん。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
(里仁篇)〔註――「桴に乗りて海に浮ぶ」云々の一節は、原文では、孔子が子路を他の人に向つて批評したことになつているが、この物語では、それを両人直接の対話として取扱って見た。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
――「私の説く治国の道も、到底行われそうにないし、そろそろ桴にでも乗って海外に出ようと思うが、いよいよそうなった場合、私について来てくれるのは、由かな。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫