不整
ふせい
名詞
標準
文例 · 用例
極く田舎の、孝行息によくある、不整で毛の長い眉を持ち、学校に少しでも関係のある者を見る時はその下の黒い瞳がキロリと動いた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
何故だといいますと(その女学校はこの節はだいぶよく揃ったそうでありますが、このあいだまでは不整頓の女学校でありました)、それが世界を感化するの勢力を持つにいたった原因は、その学校にはエライ非常な女がおった。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
予報者と被予報者との意志の疎通せざる手近き原因は、予報の指定する範囲と被予報者の利害範囲の大きさの相違と、その公算的不整合を許容する程度の差異に帰すべしと思わる。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
気の毒なくらゐ万事が不整頓で、とても手が届かないので、ややともすれば見殺しです。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
もっと既にこの時世界の不況は大英の財界にも押し寄せて来て、彼の顧問会社の脈搏不整はこの偉れた財政家に騎士時代の革財布を丹念に繕うような閑道楽を許さなくなってもいた。
— 岡本かの子 『バットクラス』 青空文庫
いつか自分の手指の爪の発育が目立って悪くなり不整になって、たとえば左の無名指の爪が矢筈形に延びたりするので、どうもおかしいと思っていたら、そのころから胃潰瘍にかかって絶えず軽微な内出血があるのを少しも知らずにいたのであった。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
気の毒なくらい万事が不整頓で、とても手が届かないので、ややともすれば見殺しです。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
呼吸の不整調は恐るべき病と關聯する。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫