茫洋
ぼうよう
形容詞-たる副詞-と
標準
vast
文例 · 用例
――こうした刈入時の田舎の自然と、収穫に忙しい労働の人生とが、屋根の上に飛びあがった一羽の鶏の主観の影に、茫洋として意味深く展開されているのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
でもまた、見渡す限り、ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に、幽かな黒一點をとどめてゐるものが、たとひそれは嘘にしても月の影法師だと云はれて見ると、鯛の大群や火事だと思つて眺めるよりは、風流人の浦島にとつて、はるかに趣きがあり、郷愁をそそるに足るものがあつた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
ことに大槻は作家を志望していて、茫洋とした研究に乗り出した行一になにか共通した刺激を感じるのだった。
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫
扨、此の後どうなることか……それを思へば茫洋とする。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
でもまた、見渡す限り、ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に、幽かな黒一点をとどめてゐるものが、たとひそれは嘘にしても月の影法師だと云はれて見ると、鯛の大群や火事だと思つて眺めるよりは、風流人の浦島にとつて、はるかに趣きがあり、郷愁をそそるに足るものがあつた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
その時には茫洋とした大河であった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
茫洋とした大きなもの。
— ――ひそひそ聞える。なんだか聞える。 『鴎』 青空文庫
玄白たちが、はじめて洋書をひらいて見たが、どのようにしてどう飜訳してよいのか、「まことに艫舵なき船の大海に乗出せしが如く、茫洋として寄るべなく、只あきれにあきれて居たる迄なり」というところなど実によかった。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
作例 · 標準
茫洋たる宇宙の広がりを思うと、人間の存在はあまりにも小さい。
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彼の心の中には、茫洋たる悲しみが広がっていた。
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茫洋とした景色の中で、彼はただ立ち尽くしていた。
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