几案
きあん
名詞
標準
desk
文例 · 用例
十娘はすぐに出て往ったが、翌日になって崑の家は母屋から火が出て幾棟かに延焼し、几案牀榻、何もかも灰になってしまった。
— 田中貢太郎 『青蛙神』 青空文庫
氏はまた書を欧洲諸国の立法議院に寄せて、法典立案の必要を説き、且つその委託を勧請したけれども、ただギリシア革命政府、ポルトガルなどの一、二国が氏の意見を諮詢したのみに止まって、法典立案の事に至っては、几案寂然、遂に一紙の聘托をも得ずして、その生涯を終ってしまったのである。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
主人が年若く粗豪なるに似もやらず、几案整然として、すみずみにいたるまで一点の塵を留めず、あまつさえ古銅|瓶に早咲きの梅一両枝趣深く活けたるは、温かき心と細かなる注意と熟練なる手と常にこの室に往来するを示しぬ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
凡厥体像、髣‐髴丈夫、頭上加冠、鬢辺垂纓、成緋衫色、起居不同、遞各異貌、或所作女形、対丈夫而立之、臍下腰底、刻絵陰陽、搆几案於其前、置坏器於其上、児童猥雑拝礼、慇懃捧幣帛、或供香華、号曰|岐神。
— 喜田貞吉 『オシラ神に関する二三の臆説』 青空文庫
病床を出で座右の文房具几案を取片付く。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫
午後旅亭を引払ひ、築地の家に至り几案書筐を排置して、日の暮るゝと共に床敷延べて伏す。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫
新居書斎の塵を掃ひ書篋几案を排置す。
— 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 『断腸亭日乗』 青空文庫
破屋数間、蕭然タル几案、始メテ老子ヲ講ジヌ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
作例 · 標準
書斎の几案には、読みかけの書物と万年筆が置かれている。
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彼は静かに几案に向かい、一日中、書物と格闘していた。
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古い寺院の一室に置かれた几案は、長年の使用で表面が艶やかに光っていた。
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