機械油
きかいあぶら異読 きかいゆ
名詞
標準
machine oil
文例 · 用例
あまり感心したために機械油でぬらぬらする階段ですべってころんで白い夏服を台無しにしたことであった。
— 寺田寅彦 『ジャーナリズム雑感』 青空文庫
今日もまた、堀の水が半濁りに濁って、表面には薄く機械油が膜を張り、そこに午後の陽の光線が七彩の色を明滅させている。
— 岡本かの子 『晩春』 青空文庫
ただ一匹、たとえ小鮒でも見られさえすれば彼女は不思議と気持が納まり、胸の苦しさも消えるのだったが……鈴子が必死になって魚を見たがるのと反対に、此頃では堀の水は濁り勝ちで、それに製板所で使う機械油が絶えず流れ込むので魚の姿は仲々現われなかった。
— 岡本かの子 『晩春』 青空文庫
近まわりの工場の連中がワイワイ取巻いて見ているうちに、お釜帽を冠った機械油だらけの職工が、板片の上に小石を二つ三つ並べて、腰元らしく尻を振り振り登場すると皆、一時にドッと笑い出したりした。
— 夢野久作 『オンチ』 青空文庫
屍体の背面には表側と同じ様に、深い擦過傷が所々に喰い込み、労働服の背中にはまだ柔い黒色の機械油が、引き裂かれた上着の下のジャケットの辺りまで、引っこすった様にべっとりと染み込んでいる。
— 大阪圭吉 『カンカン虫殺人事件』 青空文庫
黒い機械油は、手首から麻縄の上までべっとり染み付いている。
— 大阪圭吉 『カンカン虫殺人事件』 青空文庫
で、先ず最初に僕が頭をひねったのは、あの幾通りかの傷や機械油が、被害者の体へ加えられて行った順序だ。
— 大阪圭吉 『カンカン虫殺人事件』 青空文庫
次に、あの黒い機械油のシミだが、溶け加減と言い、染み工合と言い、確かに暫く水浸しになっていたに違いはないが、凡ての傷の一番最後から着いたものなんだ。
— 大阪圭吉 『カンカン虫殺人事件』 青空文庫
作例 · 標準
作業着に染み付いた機械油の独特な匂いが、彼の日常を物語っている。
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錆びついた蝶番に機械油を差すと、驚くほど滑らかに動くようになった。
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「うわ、袖に機械油がついちゃった。これ、なかなか落ちないんだよね」
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祖父の作業場には、いつも機械油と木屑の混じった匂いが漂っていた。
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