旅烏
たびがらす
名詞
標準
文例 · 用例
ナマヌル魂の木村父子は旅の卦の文に所謂鳥其巣を焚かれた旅烏、バカアバカアと自ら鳴くよりほか無くて、何共せん方ないから、自分が援助するつもりで来た成合平左衛門に却て援けられる形となって、佐沼の城へ父子共|立籠ることになった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
全体|小癪な旅烏と振りあぐる拳。
— 幸田露伴 『風流仏』 青空文庫
僕は、当時、ひと頃はずいぶんと人気を呼んだ暁星歌劇団のテノール歌手をやっていたのですが、戦争終局と共に、ばたばたとやって来た大不景気のために最も有力な金主を失ってしまった結果、おまけに肝心な客足はゲッソリと減るし、到頭一座はご多聞に洩れず、何れあじけない旅烏とならなければなりませんでした。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
浜べは急に景気づいて、納屋の中からは大釜や締框がかつぎ出され、ホック船やワク船をつとのようにおおうていた蓆が取りのけられ、旅烏といっしょに集まって来た漁夫たちが、綾を織るように雪の解けた砂浜を行き違って目まぐるしい活気を見せ始める。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
旅烏はのんきであるがみじめでもある。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
「君は一生|旅烏かと思ってたら、いつの間にか舞い戻ったね。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
「旅烏ですから、何人も力になってくれる者がないのです、曹邱が季布をたすけたように」 すると少年が言った。
— 田中貢太郎 『嬌娜』 青空文庫
浪人は一人ぽっちの旅烏なので、祭りのおりには知らぬ顔で通り過ぎたが、その時は少年の素通りを許さなかった。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
旅烏・旅鴉(たびがらす)は「ねぐらをもたない烏」の意。またその言葉を由来とし定住せず旅から旅へ渡り歩く人のこと。主に江戸時代の渡世人や旅芸人などに使用される。 旅鴉 旅鴉シリーズ - 1961年の映画シリーズ。主演は山城新吾と品川隆二。「気まぐれ鴉」「旅がらす花嫁勝負」の2作がある。 旅鴉 - 1972年の五木ひろしのシングル。 旅鴉 - 笹沢左保の時代小説。1972年発売の「血しぶきに煙る信州路」を1993年の文庫化の際に改題。 旅がらす 旅がらす - 群馬県の銘菓。1958年から発売。製造・販売は旅がらす本舗清月堂。
出典: 旅烏 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0