行く掛かり
いくかかり
動詞
標準
文例 · 用例
後に私の弟弟子が二人あっても、これは私にたよるばかり、奥は女の人たちばかり、どうしても私が以前からの行き掛かり上、全責任を負って立たなければならぬことになった。
— 東雲師没後の事など 『幕末維新懐古談』 青空文庫
これは行き掛かりの上の勢いから自然こういう風になったのであります。
— 彫工会の成り立ちについて 『幕末維新懐古談』 青空文庫
なまけてもいないに出す作がないというと、やはりなまけていたとお思いになるかも知れませんが、私は拠所ないことで人から頼まれたものをやっているのです」という話から、行き掛かり上、若井兼三郎氏の依嘱によって矮鶏を彫っていて既に二年越しにわたっていることを私は話し、怠けていないことの証拠を挙げました。
— 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ 『幕末維新懐古談』 青空文庫
一体、アメリカというのがそんなところで、正邪も仇同志も一度|実業となれば、それまでの行き掛りなんぞは、何でもなくなってしまうんだ。
— 遊魂境 『人外魔境』 青空文庫
そういう意味からいって、私たちは最も幸福に生れた人間の一対であるべきはずです」 私は今前後の行き掛りを忘れてしまったから、先生が何のためにこんな自白を私にして聞かせたのか、判然いう事ができない。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
「君|不相変やってるな」と今までの行き掛りは忘れて、つい感投詞を奉呈した。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
私なぞは、今までの行き掛り上、相談には乗ってやっていますが、殆んど手を引いたようなものです」 すべての劃策は水泡に帰した、と正太は歎息した。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
が、あの場合、行き掛りもあった。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫