隠慝
いん慝
名詞
標準
文例 · 用例
或は自己を隠慝し、或は自己を吹聴し、又た自らを誇示するものあれば、自らを退譲するものあり、要するに真に自己の生涯を説明するものは尠なきなり。
— 北村透谷 『各人心宮内の秘宮』 青空文庫
文治五年三月、秀衡すでに死して子泰衡家を継ぎ、当時朝敵と見做されたる義経を隠慝扶持せるの罪によって、まさに鎌倉の討伐を受けんとする際になってまでも、法皇はなお書を鎌倉に下して、これを催促せしめ給うたのであった。
— 喜田貞吉 『奥州における御館藤原氏』 青空文庫
しかるにもかかわらず聖人がしばしばその所生の下賤を口にされたという事は、これ実に詐らざる告白であって、当時においてこれを隠慝する必要もなく、またこれを隠慝し得難いまでに、世間公知の事実であった為ではなかろうか。
— 日蓮聖人はエタの子なりという事 『旃陀羅考』 青空文庫
支那では親に對して積極的に抵抗したり傷を負せたりすると非常に重い罪に處せられる、又其半面に、子や孫と云ふものは、親の爲めに惡い事は政府に對しても社會に對しても隱慝する、親の惡いことはたとひ官府の命令でも決して漏らさぬと云ふ精神があります。
— 桑原隲藏 『支那の古代法律』 青空文庫