洞然
どうぜん
名詞
標準
文例 · 用例
独酌三杯、天地洞然として天地なし。
— 大田 『行乞記』 青空文庫
トンビを曲げて酔ふ、身心洞然としてさえぎるものなし。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
四辺|茫漠たる霧の中で、鳴り響く太鼓の洞然たる音はまことに神秘的のものであったが、それに答えて赤帆の船から、法螺貝の音の鳴り渡ったのはさらに一層神秘的であった。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
その頃の胎内は洞然とした、洞の国に過ぎなかった。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
眼窩は洞然と開いているが、眼球が失われているのである。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
その時|洞然と打ち開けた広い空地が現われた。
— 国枝史郎 『加利福尼亜の宝島』 青空文庫
」 上海風の部屋の中に、上海風の寝台があり、上海風の阿片食のお妻が、阿片の吹管を抱きながら洞然とした眼で見詰めている。
— 国枝史郎 『前記天満焼』 青空文庫
その時洞然と音を立てて、さすが堅固の石壁も、槌に砕かれて飛び散った。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫