真像
しんぞう
名詞
標準
文例 · 用例
といふ冊子の口絵の一頁大に、はぢめて見た彼の写真像だつた。
— 牧野信一 『「尾花」を読みて』 青空文庫
B達は東京からの言伝を述べたり、託されて来た手紙と金とを其処に出したりして、アンナを喜ばせたが、その室の壁に接して十字架に並べてその Watanabe のカビネの写真像の置かれてあるのを眼にしたときには、彼等は思はず感激の声を立てた。
— 田山録弥 『アンナ、パブロオナ』 青空文庫
またこの写真で見るとこの侵入者のまわりにはばく大な広がりをもったかなり不規則な形をした星雲が取り囲んでいることが分る(近所にある恒星の写真像が皆規則正しい円盤の形をしているのと比較せよ)。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
此事は、舞台よりも現実の真を示す写真像の上にすら明らかに現れる事実なのである。
— ――中村魁車を誄す―― 『街衢の戦死者』 青空文庫
偉大なる画家は、理想の美を天界に求めて、地上に聖女の真像を描きますが、今わたしの眼前にある自然のほんとうの美しさに近い描写はまだ見いだされません。
— クラリモンド 『世界怪談名作集』 青空文庫
理想の美を天上に求めて、其処から聖母の真像を地上に齎し帰つた大画家でも、其輪廓に於ては到底、わしが今見てゐる、自然の美しい実在に及ぶ事は出来ない。
— LA MORTE AMOUREUSE 『クラリモンド』 青空文庫
注意して見ると、最も高く真像、その下に倒像、その又下に水平線がある。
— 正木不如丘 『釣十二ヶ月』 青空文庫
即ち真像は勿論倒像迄上に釣り上つて居るのである。
— 正木不如丘 『釣十二ヶ月』 青空文庫