密奏
みっそう
名詞
標準
文例 · 用例
復密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平は、形勝の地にして、士馬精強に、金元の由って興るところなり、今|宜しく封を南昌に徒したもうべし。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
御史また今更に大に驚きて、此事を密奏す。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
御史の密奏を聞召して、即ち宦官の建文帝に親しく事えたる者を召して実否を探らしめたもう。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
故中宮のためにもおかわいそうなことで、また陛下には御|煩悶をおさせする結果になっている秘密奏上をだれがしたかと怪しく思った。
— 薄雲 『源氏物語』 青空文庫
多くの公卿たちの中でも聡敏の資性をもって知られた伝奏|姉小路少将(公知)が攘夷のにわかに行なわれがたいのを思って密奏したとの疑いから、攘夷派の人たちから変節者として目ざされ、朔平門の外で殺害された事変は、ことに幕府方を狼狽せしめた。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
と、いうことを大塔宮様には、告ぐる者あってお知りになり、直ちに内裏へ密奏した。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
王建が宮詞に曰、「密奏君王知入月、喚人相伴洗裙裾」と。
— ―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文― 『骨董羹』 青空文庫
誤植の次手に又思ひだしたが、何時か石印本の王建の宮詞を読んでゐたら、「御池水色春来好、処処分流白玉渠、密奏君王知入月、喚人相伴洗裙裾」と云ふ詩の、入月が入用と印刷してあつた。
— 芥川龍之介 『本の事』 青空文庫