寄り来る
よりくる
動詞
標準
文例 · 用例
顔出して、つくづく居れば、笹子啼き、目白寄り来る、笹葉揺り揺りてまた去る。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
顔出してつくづく居れば、笹子啼き、目白寄り来る、笹葉揺り揺りて又去る。
— ――長歌体詩篇二十一―― 『観想の時』 青空文庫
いでや新身の切れ味見せて、逆縁の引導渡し呉れむと陣太刀長やかに抜き放ち、青眼に構へて足法乱さず、切尖するどく詰め寄り来る。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
さる程に此事を伝へ聞きし人々、おのづから、われに諛ひ寄り来るさへをかしきに、程なく藩の月番家老よりお召出あり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
五月雨の生暖かき夜なんどは彼方の峯、此方の山峡より人魂の尾を引きて此寺の方へ漂ひ寄り来るを物ともせぬ強気者に候ひしが、妾を見てしより如何様にか思ひ定めけむ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
誓ふべし山の秘密を守るべし蛾よ我が路に寄り来る勿れ 若葉の頃塩原での歌。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
北は荒川から南は玉川まで、嘘もない一面の青舞台で、草の楽屋に虫の下方,尾花の招引につれられて寄り来る客は狐か、鹿か、または兎か、野馬ばかり。
— 山田美妙 『武蔵野』 青空文庫
最初は単純に招代であつたのが、次には其片手間に邪神を睨み返すことゝなり、果は蘇民将来子孫とか、鎮西八郎宿とか言ふ様に英雄神の名に托して、高く空よりする者の寄り来るを予防した次第である。
— 折口信夫 『髯籠の話』 青空文庫