映象
映象
名詞
標準
文例 · 用例
舟の苔を被れる屋壁と高き窓とに近づくとき、怪しき映象は我胸に浮びぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
美は實を離れたる映象なれば、美術に實を取らむやうなし。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
おもなる事を少し擧げて、詩の映象|躍如たる理想主義の利と、瑣事を數ふること多くして聽者を倦ましむる實際主義の弊とも亦然なり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
その實に即いたる美の主觀に入るに當りて、實より離れたるを美の映象といふ。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
そして太陽の光線のために無論視線の彎曲されてゐるのを自覺して、實際の映象中の岬の突端を實在の突端へと想像に描きながら、その往日そこの斷崖を攀ぢて此方の灣の岸を見かへしたことがある、私の十六の春を回想した。
— 福士幸次郎 『地方主義篇』 青空文庫
文学の上では描写が成立して、読む中に、まざまざと視覚的映象をよびさますような技巧が生れる。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫